🎸”蔦音次郎”のギタ・キチ・日記

気まぐれギター演奏の日記を書いて更新して行きます。

「ギターは小さなオーケストラ」??・・


グラン・ソロ Op .14 Sor.
楽器の中で、その存在感を保っているのはピアノではないか・・・?
何故ならピアノは万能楽器であるからだ。
最も複雑なオーケストラの曲はピアノで弾けると言う・・ホントかねぇ~??
ピアノはオーケストラと同じ音域幅を持っているからだ。
両手10本の指が全音域に渡ってメロディーを同時に弾ける利点がある。
そしてペダルの使用だ。必要な音は指を放しても鳴らして於ける事。
ある音を大きく、ある音を小さく、遠近差が付けられると言う事。
アクセントも強くも、弱くも自由に単音でも複音でも付けられるという点、
この様な特質が万能楽器の横綱の地位を保っているのだ。


しかしピアノで出来ない弱点が2つあると言う。
一つは音の持続です。
鍵盤で打った音は次第に弱くなって消えてしまう。
同じ音を保っておくことが出来ないと言う。
クレシェンドが出来ない。
二つ目に音色を変える事が出来ません。
出来るのは強弱の変化だけです。
プロの打つ音と下手な素人が打つ音は本質的に同じ音だと言う‥
以上の二つのことからピアノは本質的にメロディー楽器ではないと言う。
ホントかよ???・・・


それではバイオリンはどうか・・
バイオリンはメロディー楽器の代表ですね。
これは認めます。
バイオリンの特質は音の持続が自由で
クレシェンドもディミヌエンドも意のまま・・
そして音色の変化が多様です。
一つの音を暗く悲しく響かせることも、明るく元気に響かせることもできる。
これはバイオリンは一つ一つの音が表情を持っていることである。
しかし最も表情豊かな音は人の声と言ってます。
メロディー楽器はフルートにしてもトランペットにしても、
多少の表情は持っているがバイオリンにはとても及ばないと言う。
バイオリンは表現方法が明確で豊富だと言ってます。
弓一引きで続く音は全てレガート、
さらにレガートの中のポルタメントを自由に使う事が出来る。
スタカートの他に指を弾ませるスピッチカートも使います。
音色を機械的に変化させる色々の方法を持っている。
弓の代わりに指頭で弦を弾くピッチカート、
弱音器を付けて音を弱くするとともに音色を柔らかくする事も可能。
まだまだ特殊奏法が豊富にあるようだ。
豊富な倍音(ハーモニックス)の使用です。
倍音は音域を伸ばし、音色に変化を与え、和音を助ける。
倍音の自由な使用は弦楽器の大きな特権と言われている。


バイオリンにも出来ない事が有るんです。
先ず、メロディーと伴奏を同時に弾けません。
だから伴奏者が別に必要です。
弦は4本有りますが同時に長く弾いていられるのは隣り同志の2本だけ。
3本以上はアルペジオする以外には同時に弾けない。
しかし、フルートやトランペットの様に
1本のメロディーしか吹けない事を考えれば、
バイオリンは実に豊かなメロディー楽器です。


ギターはどうなのか?・・その性能は・・?
ギターは音量こそ小さいが、
ピアノとバイオリンの性能を兼ね備えた立派な楽器だ。
その特徴はギターはピアノの様に
メロディーと伴奏が同時に弾ける利点がある。
そして開放弦とカポタストの使用で、
ピアノのペダルを使った時の様に音を保っておくことが出来る。
ギターは数弦を同時に弾いて、
その中のある音を強く、弱く弾く事が出来ます。
この様に音の遠近が付けられる事は、
音楽の複雑な表現に堪えられる楽器であることを示しています。
更にギターは単音でも複音でも自由にアクセントがつけられる。
これはピアノと同じように、
近代音楽の激しいリズムの表現に応えられる
素晴らしい楽器であることを証明しています。
ギターで弾いた音は一定の時間で消えてしまう事と、
一つの音でクレッシェンド出来ないのはピアノと同じと言う。
ギターはピアノと同じ性能を沢山持っているが、
音域の広さはピアノの半分以下で音量は十分の一以下、
その他、色んな点でギターはピアノより能力は劣っている。
しかしこの劣った点を跳ね返すだけの長所がギターにはあると言います。
それはピアノが全然出来ないものです。
その第一は音色を多様に変化出来る事。
第二にメロディーを、レガートとポルタメントで
バイオリンや人声の様に歌わせる事が出来る事です。
この二つの大きな長所は、
ギターがメロディー楽器であることを示すものです。
すなわち、バイオリンの特性に似たものをギターは持っている事です。
バイオリンの様な多彩な特技をギターも持っているのだ。
その一つは・・ギターはバイオリンの様に
左手のビブラートで音を美しく作り上げる事が出来る。
二つ目は、ギターの右手で弾く指はバイオリン同様に多彩な働きをする。
アポヤンド、アルアイレの技術はバイオリンの弓の技術には無い。
ギター特有の技術です。右手を駒近くで弾いた音は固い音、
反対に指板近くで弾く音は柔らかい音になる。
他に特殊技巧としてタンボーラ、ラスゲアド、等々の奏法がある。
ハーモニックス、ピッチカート、はギターにとって重要な技巧とされます。
ギターは美しい音色でマンドリンの様な奏法のトレモロ奏法がある。
ギターが好きになるのは、トレモロの綺麗な流れです。
有名な「アルハンブラの思い出」はトレモロの代表作品ですね。
アルペジオも綺麗ですね。
アルペジオの代表作にタレガの「アラールの華麗なる練習曲」が有り、
アルペジオの美しさに癒されます。


これらの豊富な長所から見て
「ギターは小さなオーケストラ」と評したベルリオーズか?
ベートーベンか知りませんが、理解できますね。
フェルナンド・ソルも大曲を沢山書いているが、
作品14「グランソロ」も
「小さなオーケストラ」をイメージした豪快な作品ではなかろうか・・



もっと細かく説明できれば理解しやすいのでしょうが、
この内容は「ギター音楽講座」全音楽譜からの本から引用して書いてみました。
この「ギター音楽講座」は1968年に購入した本です。
ボロボロ本になったが、今でも大切に本棚に保管してます。
今、この本を持っている人は、どれくらいいるだろうか????

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